1.エッチングクリームの使い方


エッチングクリームでガラス、鏡、陶磁器、御影石、スレートなどに非常に滑らかなエッチングできます。
エッチングクリームがガラスや陶磁器に触れるとすぐに反応が始まります。エッチングされた表面は元に戻せないので不用意に付着させないで下さい。
作業後の洗浄で、ホーローや陶滋器製の流しを使うとクリームが素材を傷めることがあります。洗浄にはステンレスの流しやプラスチック製の容器を使用してください。


ガラスや鏡の表面を清掃する。糸くずの出ない布やキッチンペーパーで拭き乾燥させる。


オリジナルのステンシル(マスキング)などを素材に貼る。(図1)専用スキージーでステンシルと素材の間の気泡を完全に取り去る。特に境界部分に気を付けながら、しっかり圧着する。エッチングしない部分がしっかりマスキング出来ることを確認する。

(図1)
ステンシル(マスキング)のガラスが露出していない部分(図2)にクリームを必要量取り出す。この段階でガラス部分(図3)にクリームが付くと、そこだけが強くエッチングされ均一な加工が出来なくなる。石を池に投げた時出来る波紋のようなパターンが出来てしまうので注意する。 Etching Cream
(図2) (図3)

専用スキージーでエッチングクリームを均一で充分な厚みを持たせながら、塗り広げる。あたかもケーキを砂糖の衣で覆うかのように、クリームを画像エリアに厚く塗り伸ばす。(図4)刷毛では十分な厚みが確保できず、不均一にしかクリームを塗れないので使わない。刷毛で塗布するとエッチング部に縞模様が出来やすい。

Etching Cream
(図4)

15分間放置する。(エッチング反応が進みます。)

15分経過後、スキージーでエッチングクリームをボトルに戻す。(図5)(クリームは再利用できます。) Etching Cream
(図5)

素材を水道水でしっかり洗い、クリームを完全に除去する。


ステンシル(マスキング)を剥がす。もう一度水洗し、乾燥させる。完成。(図6)

(図6)

◎エッチングクリームは再利用出来ます。使用後は元のボトルへ戻してください。

◎このエッチングクリームはフッ酸系エッチング剤より安全ですが、人体に直接触れぬよう気をつけて下さい。

2.ディッピング・エッチの使い方

ディッピング・エッチ(リキッド・エッチ)は不規則な形状や丸い素材など、エッチングクリームでのエッチングが困難な場合に使用します。エッチングクリームと同様に非常に滑らかなエッチングできます。
ディッピング・エッチがガラスや陶磁器に触れるとすぐに反応が始まります。エッチングされた表面は元に戻せないので不用意に付着させないで下さい。
作業後の洗浄で、ホーローや陶滋器製の流しを使うとクリームが素材を傷めることがあります。洗浄にはステンレスの流しやプラスチック製の容器を使用してください。


エッチングする素材より大きいプラスチック容器を準備する。(図1)(エッチング剤はポリエチレンなどのプラスチックを侵しません。)

(図1)

素材に水などの重しを入れる。(図2)(素材が次の工程で浮き上がるのを防ぎます。)

(図2)

エッチングする素材を準備しておいたプラスチック容器に入れる。エッチングする高さまで水を満たす。(図3)

(図3)

素材をプラスチック容器から取り出す。容器の外側に水の最上部ラインを記入する。容器の水を捨てる。容器と素材を完全に乾燥させる。(図4)

(図4)

プラスチック容器にディッピング・エッチを4番で記入したラインまで注ぐ。(図5)

(図5)

素材をプラスチック容器にそっと入れる。15分間そのままにする。


15分経過後、静かに素材を容器から取り出す。水道水で素材を良く洗い、乾燥させる。ディッピング・エッチは容器に戻し再利用する。滑らかな艶消しガラスになります。


ディッピング・エッチは再利用出来ます。使用後は元のボトルへ戻してください。
ディッピング・エッチはフッ酸系エッチング剤より安全ですが、人体に直接触れぬよう気をつけて下さい。

3.曲 面 へ の エ ッ チ ン グ



2次曲面や3次曲面にエッチングする時は、粘着マスキングシートを素材にきちんと貼れるかどうかがポイントになります。
カーブのきつさやパターンの大きさによっては、マスキングシートが曲面に追従出来ず、シワや隙間が出来てしまいます。
この場合は、隙間からエッチングクリームが中に入り、ガラスを腐蝕させてしまうのでエッチングは出来ません。
事前にマスキングシートと同じ大きさの紙で、ぴったり素材に貼れるかどうかテストしてから、本作業に入ってください。




(図1)

ステンシル(型紙)を素材に貼った後、同じマスキングシートを4本の細いひも状にカットしてください。この4本をパターンの周囲に四角形になるよう貼り、コーナーと周囲を内側に起こします。コーナーのシートを互いに貼り合わせ箱状にします。こうすることでエッチングクリームが垂れ、周囲を腐蝕させることを防ぎます。。(図1)


箱に古新聞をクシャクシャにして詰めた物や、支えを準備して、その上に素材を置きます。エッチング中に丸みを持つ素材が転がらないようにして下さい。



エッチングクリームを塗り、15分経過したら、箱状のマスキングシートのコーナー部分を開いて、漏斗の形を作ります。
漏斗の先を利用して、エッチングクリームをボトルに戻します。
エッチングクリームは再利用できます。



素材をしっかり洗い、乾燥させたら出来上がりです。



◎エッチングクリームは再利用出来ます。使用後は元のボトルへ戻してください。

◎このエッチングクリームはフッ酸系エッチング剤より安全ですが、人体に直接触れぬよう気をつけて下さい。